IWATA Yukina

名 前
:岩田ゆきな
誕生年
:1995年11月22日
出身地
:東京都
活動拠点
:東京都
ブログ
オフィシャルブログ

◆誰とでも仲良く

 岩田さんの笑顔には力がある。しかしそれは力強さといった類のものではなく、「笑顔にふれるとどういう訳かふわっっとした優しい気持ちになれる」という、そんな人の心を温かくしてくれる力を秘めた笑顔だ。
 人見知りすることはなく、「誰とでも友だちになれますよ。この人と仲良くなりたいと思ったら自分から声かけますね。ただ常識の無い人はちょっと苦手かな」と話すその表情はとても人なつっこく可愛らしいのだが、本人は「子どもっぽいのは……ちょっといやかなぁ。大人の雰囲気ってあこがれちゃいますね。あ、でも可愛い感じも悪くないか。むー、矛盾してますねwww」と笑い、いずれはカッコいい大人の女性になりたいのだという。
 モデルになったのは中学生の頃。渋谷で芸能事務所から声を掛けられたことがきっかけだ。いつもなら声を掛けられても素通りするはずだが、その日のスカウトマンの誘い文句は秀逸だった。もともと美容関係に興味があり、いずれは美容に関わる仕事をしたいと思っていた。そこでスカウトマンいわく、モデルとしてファンがついていれば美容師になったときに指名や仕事が多くなるので、今モデルとして名前を出しておくことは無駄にはならないというのだ。「いやぁ、あの時は何も知らずに『うんうんそうかぁ、なるほど』って話を受けちゃいました。世間知らずでしたねぇwww」と当時を振り返っている。

◆人の評価に流されない

 今はフリーで活動しているが、事務所に所属していたときは新しい世界観に接することができて視野も広がったという。エキストラなどの仕事をしていると一線で活躍するモデルや芸能人に接する機会も増える。過去にプロモーションビデオの撮影でスタンドインをした際、主演の女優と話をする機会があったという。 それまでは特に気になる人というわけではなかったが、「現場で仕事に対する姿勢を見ているととても真面目な人です。撮影の時に私が躓くと大丈夫ですかって声を掛けて駆け寄ってくれました。大変な現場でも、ずーっと笑顔でスタッフと接する姿を見ていたらファンになっちゃいましたね」。メジャーになれば良くも悪くも評価されるのが芸能の世界だ。ネットではさまざまな評価が書き込まれるが、当人に接すればその評価が正しいか正しくないかはすぐにわかることだ。「決して傲慢なんかじゃないですし、スタッフさんにもちゃんと挨拶していることを見ていると、知りもしないで人を評価することってよくないなって、直に接して自分で判断することって大切だなって思いましたね」。人の評価を鵜呑みにせず、自ら触れて知ることが大切だという。

◆妥協したくない、してほしくない

 「きょうのように明るい髪は夏限定ですよ。黒髪は長くないと需要が無いですし、ヘアカタログのモデルは明るめな髪の方が多いですから」。最近は知人からの紹介で美容室のモデルを受けており、夏休み中の期間限定で明るい髪色にしている。授業が始まるころにはまた落ち着いた色合いに戻すようだ。
 過去に撮影された写真を見ると、その中には必ず数枚のヘン顔の写真が含まれている。「まだ表情を作るのは得意じゃなくて、緊張しちゃうといい絵が撮れないんですよ。ヘン顔すると周りも和んで無理せず笑える空気ができますからw」。 自然に笑えるような雰囲気を作るためにもヘン顔は効果的だという。「現場のテンションが落ちてきたときとかですね。カメラマンさんも私がヘン顔するキャラじゃないって思っているだろうから、前触れなくおかしな顔が出てくるのでびっくりですよwww」と自ら空気をほぐす役回りになるという。自覚が無いかもしれないが、気配りができるとともに自分のペースに持ち込めるというのはとても重要なスキルだ。一見おちゃらけた風に思えるが撮影に臨むスタンスは明確だ。カメラマンやメイクさん、スタッフの方々の頑張りには最大限の努力で報いたいのだ。「カメラマンさんや他のスタッフさんには妥協してほしくない。撮る人が本当に納得する絵が撮れるまで撮影を続けてほしいです。『まぁこんなもんかな』ってやめちゃうのは嫌なんです」と一つ一つの撮影を大事にしたいという。

◆ラーメンでメイド?

 事務所に所属していた頃にやっていたアルバイトがある。ラーメン店の店員である。ラーメン店の店員であるがメイドでもあった……。そのラーメン店ではどういう訳か店員さんがメイド服を着て給仕するのだ。 「いやぁ、面白そうだったのでやってみたんですけど。やっぱりちょっと無いですねwwwお店も無くなっちゃいましたから」と当時を振り返った。しかし、これだけでは終わらないのがすごいところだ。「お姉ちゃんに『どうせならもっと本格的にメイドしてみなさいよ』って言われて……なりましたよ。メイドに。行きましたよ。秋葉原にwww」。もはやどこまで冗談なのかと話を聞いていたが、「んー、本当にしてましたね、メイドさん。メイド喫茶通りでチラシを配ったことも。あまり長くはなかったですけどね」と回想していた。
 「あと、変かもしれないですけど女の人が好きですね。モデルさんでも年齢を感じさせない体型をキープしていたり、綺麗でかわいいいのにそれでいて色っぽいとか、魅入っちゃいますねぇ」と 自らの女性の好みを次々とピックアップしていくところはなかなかに爽快だ。また、友だちにも変わっていると言われるという。「アルバイト帰りにそのまま家に戻りたくないなーって、公園のブランコに1人で座っていたりするんですけど、『この子大丈夫かな』って心配されたり、電車に乗っていて知らない駅で急に降りてみたりしますよ」と衝動的にやりたいことをしてしまうので周囲は驚いたり心配したりでいつも刺激的なようだ。「もちろん時と場合を考えますけど、周りを気にしなくていい時は自分のやりたいように動いちゃいますね。直らないですねぇ」と半ばあきらめに近い表情で話していた。

◆美容かモデルか

 今まさに、自分が進むべき道を選択するための大きな岐路に立っている。「美容関係の仕事で有利」という理由でモデル事務所に所属したほど、美容の仕事は彼女の大きくて存在である。 その夢をかなえるために、美容関連の学校へ進学することは非常に重要なステップだ。しかし、モデルとして事務所に所属して仕事をしながら学校に通うことは容易なことではない。やりたいことをやればいいという程簡単な選択ではないようだ。
当初、岩田さんにとってモデルの仕事はそこまで大きなウエイトを占めるものではなかった。しかし、今は簡単に切り捨てることのできない理由があるという。 モデルの仕事をしている中で知り合った友人がいる。「フォトセッションで一緒になってそのとき以来友人ですよ。もぅ、私の5倍はうるさい子ですwww。以前は買い物も一緒に行ったしたけど最近は忙しくて遊べてないなぁ」というその友人とある約束をしたという。「いつかメジャーになれたら雑誌のインタビューを一緒に受けようって約束したことがあるんです。その約束を彼女がどれくらい本気にしているかは分からないですけど。今頑張れているのは彼女のお蔭っていうことのもあって簡単に無かったことにはできない約束ですね」という。モデルと美容。正解が有るかはわからないが、後悔の無い選択をしてほしい。

◆相手と自分は鏡

 秋葉原のメイド喫茶で働いていたときのことだ。同じくメイドとして働く人に言われた言葉がある。 「その人はあまり人付き合いが上手な方ではなくて周囲とぶつかることも多かったけど、私はそんなに苦手ではなかったですね。そしてその人が言ってました。『相手と自分は鏡』って。嫌々お客さんに対応しているとそれは相手にも伝わるし、自分も同じように見られるんだよって。私にとってこの言葉はすごく重みがあるんです」といい、この言葉によって自分は成長できたと実感できるのだという。以来、人に接するときには誰であれ誠意をもって話ができるようになれたのだという。
 岩田さんの笑顔やその柔らかな雰囲気は、自分のことと同じように相手を大事に思い、そのつながりを大切にしたいという表れなのだろう。写真からも感じ取れる優しさと温かさの理由が分かった気がした。

2015.4 二つ木