AIDA Nagisa

名 前
:藍田 渚
誕生年
:1991年3月1日
出身地
:東京都
活動拠点
:東京都
ブログ
nagisa blog

◆デザイナーを目指して

 チーズが大好きなんです。あとチョコも!!熱々カマンベールのハニーローストをフォカッチェに乗せ、ニコニコしながら頬張る彼女の笑顔には、周囲の人々を巻き込みながらみんなを幸せにする魅力がある。現在、美大でデザインを学びながら広告などのデザイナーを目指している。以前は写真家という職業を目指したこともあり、被写体側のモデルという仕事は写真というフィールドにおける活動の1つのようだ。
 モデルとして最初の仕事は高校生のとき。学生時代によく遊んだ代官山で、当時行き付けだった美容室の店長から依頼されたヘアモデルの仕事だ。雑誌に掲載するためのヘアモデルを探しており、お客であった藍田さんにヘアモデルをお願いしたのだという。一般的な雑誌広告ではなく、ヘアメイクやスタイリストも参加したアーティスティックな作品撮りに参加できた。
 当時はまだ被写体として撮られることに慣れていなかったことと照れ臭いとの思いから、自分が掲載された雑誌を購入しておらず、初仕事の成果は取り置かれていないという。

◆表情のある空が好き

 写真に興味を持つようになったきっかけは写真好きなお父さんの影響が大きい。小学生の頃からカメラに触れており大好きな空を撮っていたそうだ。
 特に夕日のような表情のある空が大好きで、学校の屋上で日が沈む空を眺めて、夕方からのバレエのレッスンに危うく遅刻してしまいそうなほどだった。
 が、空を撮っていた理由はそれだけではないらしい。
 友達や周りの人に撮影のお願いを切り出せず、結果、空や風景を撮っていたというのが実際のようだ。「小さい頃ってなかなか写真撮ってもいいって言い出し難いじゃないですか。風景写真は許可とか必要ないから(笑)」

◆報道写真家という職業

 中学校の授業で貧しい地域やその中で生きる子供たちの生活を写した写真に接する機会があった。そして、平和な世の中では感じることのない、飢えや生と死が隣り合わせる過酷な世界があることを伝えるために、紛争地帯に赴いて現地の姿を撮る報道写真家という職業を知った。多感な中学生には衝撃的な世界だった。多感な年頃ということもあり報道写真家になりたいと本気で考えたという。
 しかしこの夢が実現することはなかった。何よりも両親からの反対が大きかったからだ。子どもを危険な場所に行かせたくないと考えるのは、親としては当然の想いだろう。このため、まだ中学生の彼女は報道写真家という職業を諦めざるをえなかった。
 報道写真家を夢見るだけあって、その行動力は自他ともに認めているようだ。小学生のころは空ばかり撮っていたが、この頃になると同級生に声を掛けて被写体になってもらったり、作品造りと称して街に出かけ、道行く人や景色を撮っていた。

◆ファインダー越しのイメージ

作品を造る過程において、写真を加工することにあまり抵抗感はないという。「一般的に、写真を撮る方々は素材を加工することに抵抗感があると思います。けど私はあまり感じないです。作品を見る人に『伝えたいことをいかに伝えるか』ということを考えたとき、素材を加工することは手法の一つだと考えています」。おそらく作品造りのゴールが、写真を撮ることではないからだろう。写真も素材の一要素と捉えてデザインを加えることで、作品にメッセージを込めることをゴールとする、デザイナー的視点がそう考えさせるのではないだろうか。
 撮影の際、カメラマンからはリラックスして撮影できると言われる。「緊張せずに撮影できるって。私はモデルとしての勉強はできていないけどファインダーを通した構成がイメージできるから、『この絵にはこんなポーズが合うだろう』って自然と動けてますね。自分を撮らせるというよりは絵の一部としてどうあるべきかを考えています。だからカメラに視線を向けることも少なくて、カメラマンさんも緊張しないみたいです」と分析する。ポートレートというよりも日常の風景から切り出した1枚に彼女が写っているという構図だ。

◆納得できる仕事をしたい

 事務所に所属してモデルの仕事をしないのかと質問には、そのつもりはないとのことだった。「あまいと言われるかもしれないけれど納得できる仕事をしたいんです。作品を作りたいと感じたとき、一緒にやりたいと思える人たちとアイデアを出し合いながら作品を造り上げるといった働き方を考えると事務所は合わないと思うんです。ダメですかねぇ」。
 企画立案やキャスティング、品質管理など総合的なプロデュースまで含めた仕事を考えているのではないだろうか。「以前、尊敬するデザイナーのから聞いたものですが、心に響く言葉がありました。オーケストラで言えば、バイオリンでも、ビオラでも、トロンボーンでもなく、指揮者になりなさい」って。 モデルの枠に捕らわれず、演出からプロデュースまで幅広い視点で動き回れる環境が、彼女の最大の持ち味なのだろう。

2013.3.1 二つ木